Apple Inc.が、「Final Cut Pro」をアップデートしたと発表しています。
新しいバージョン10.4.9では、プロキシを用いるワークフローの強化、正方形や縦型といったサイズに自動トリミングできるソーシャルメディア向けツールといった新機能が追加されています。
Final Cut Pro 10.4.9
改善されたプロキシワークフロー
- カスタムフレームサイズ(1/8、1/4、1/2)またはフル解像度でプロキシメディアを生成
- プロキシメディアをProResプロキシまたはH.264で作成することを選択可能
- プロジェクト内の一部のクリップでプロキシメディアを利用できない場合は、オリジナルまたは最適化済みメディアを表示することを選択可能
- ライブラリのプロキシのみのコピーを作成して、持ち出しやすくしたりパフォーマンスを向上したりすることが可能
ソーシャルメディアツール
- 正方形または縦長配信用にスマート適合で自動的にプロジェクトを変換
- “変形”オーバースキャンを使って、拡大/縮小、回転、配置するときにビューアの枠外にあるメディアを表示
- 正方形または縦長フレーム内でテキストやグラフィックスを配置するときに、オンスクリーンガイドとしてカスタムオーバーレイを追加
- 新しい“プロジェクトを別名で複製”コマンドをスマート適合と組み合わせて使用することで、既存のプロジェクトのソーシャルメディアバージョンを素早く作成
その他の新機能
- インスペクタの新しいコントロールを使用して、ProRes RAWカメラ設定(ISO、色温度、露出オフセットなど)を調整
- メニューコマンドまたはキーボードショートカットを使って隣接するクリップのオーディオに1ステップでクロスフェードを適用
- タイムライン上部にある新しいドロップダウンメニューで“プロジェクトを閉じる”コマンドを使って、プロジェクト履歴を消去
- リスト表示でクリップやプロジェクトを最終変更日の順序で並べ替え
- 360°ビューアで、ステレオスコピックの360° 3Dビデオの左目用と右目用のビューを同時にプレビュー
- インスペクタ内の1クリックツールで360°ビデオを簡単に手ぶれ補正
また、「Motion 5.4.6」[Mac App Store]と「Compressor 4.4.7」[Mac App Store]も配布しています。
Motion 5.4.6
3Dオブジェクトのサポート
- タイトル、ジェネレータ、エフェクト、およびトランジションテンプレートで3Dオブジェクトをエレメントとして追加
- キーフレームを使って3Dオブジェクトの配置、回転、拡大/縮小をアニメート
- ビヘイビアを使ってリアルで複雑なアニメーションを3Dオブジェクトに簡単に追加
- レプリケータ、エミッタ、ライト、またはカメラなどのツールで3Dオブジェクトを使用
- Motionライブラリ内の60の作成済み3Dオブジェクトコレクションを使用
- USDZオブジェクトを他社製Webサイトおよびデベロッパから読み込み
- 3Dオブジェクト環境ライティングをプロジェクトインスペクタ内で調整
ストロークフィルタ
- 単色またはグラデーション色のアウトラインをアルファチャンネルに基づいてオブジェクトまたはクリップの周囲に作成
- フィルタのグラデーションツールを使って複数色のストロークを作成
- ストロークのオフセットをアニメートしたり、複数のストロークフィルタを同じオブジェクトに適用したりすることで、圧倒的な効果を作成
Compressor 4.4.7
カメラログ変換
- ログエンコードされたビデオをSDRおよびHDR色空間に変換
- Panasonic、Sony、Canon、Blackmagic、Nikon、およびARRI向けの組み込みカメラLUTから選択
- カスタムカメラLUTを追加することで、組み込みオプションがないカメラで正確な変換を実現したり、オンセットの外観に一致させたりすることが可能
カスタムLUTエフェクト
- 他社製のクリエイティブなLUTを素材に適用することで、圧縮中にカスタムな外観を追加
- .cube、.mga、および.m3dファイルフォーマットをサポート
- 出力色空間をSDRまたはHDRに設定
その他の新機能
- SMBへの分散処理を使って速度と信頼性を向上
- 複数言語のサポートを含むProRes IMFパッケージを作成